なぜ昆虫を食べるの?
世界中で昆虫食が注目されるようになったきっかけとして、2013年に国連食糧農業機関(以下FAO)が報告書「食用昆虫__食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望を発表したことが挙げられます。
報告書では、人口の増加や環境への配慮などから、従来の牛や豚などの家畜の代替タンパク資源として昆虫を推奨しています。
では、昆虫食には具体的にどのようなメリットがあるのか、以下のようにまとめました。
高い栄養素
昆虫には平均して60%ほどのタンパク質が含まれています。これは家畜と同程度かそれ以上の量で、代替のタンパク源として適しているといえます。さらに、リノレン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸やマグネシウム、カルシウムなどの栄養素も豊富に含まれているため、高い栄養素を持った食品であることがわかります。
環境への負担が少ない
昆虫は家畜と比べ温室効果ガス(メタンや二酸化炭素)の排出量が極めて少ないです。温室効果ガスの発生源のほとんどが牛などの反芻動物の糞尿であるため、それらの家畜を昆虫に置き換えることで排出量を減らす狙いがあります。
効率よく生産できる
昆虫は飼育変換効率が良く、必要な飼料がコオロギでは豚の4分の1、牛の12分の1程度で済みます。恒温動物は変温動物より30倍ものエネルギーを必要とするため、変温動物である昆虫は肉の生産装置としてとても効率が良いのです。
飼料としての昆虫
昆虫は食料としてだけでなく、養殖用の飼料としての活用も期待されています。
近年世界的に水産物の消費が増え、養殖用の飼料に含まれる魚粉の需要が伸びて魚粉の価格が高騰しています。さらに輸送にかかるコストも上昇しているため、そのほとんどを輸入に頼っている日本では、魚粉に代わる動物性原料を使った飼料の開発、生産が急がれています。
長崎の飼料開発会社ではミルワームを使った飼料の開発が進められており、廃棄された食品を餌にしたり、温度管理に使うボイラーにバイオマス燃料を使うことで飼料の価格を2割削減することを目指しています。さらに、国内で生産された昆虫を利用することで輸入依存から脱却し、飼料の安定した供給を図ることができます。